(美術館) アルチンボルド展 (国立西洋美術館)

昨日昼前に、上野にある国立西洋美術館へ。
この6月20日から展示(9月24日まで)されているが、その内にと思いながら中々実現しなかったので、思い切って出かけた次第!
西洋美術館は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジェの建築作品であり、2016年7月17日に東京都として初の「世界文化遺産」に登録された建物ではあるが、実質「松方コレクション」を保存・展示するために建設された由。
私は1964年(4月8日〜5月15日)の期間中のある日授業をさぼり、「ミロのヴィーナス展」を観るために、この館前に3時間超並んで鑑賞した記憶が蘇って来る。

さて、この展示会の案内書に依れば、アルチンボルド(1526-1593、16世紀後半にウィーンとプラハのパプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家)は神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世に、各4点からなる「四季」と「四大元素」を捧げたと言われ、植物が組み合わさった頭像による「四季」の季節は、年若い「春」から老人の「冬」までの各世代に対応していて、「四大元素」は、世界の構成要素である「大気」「火」「大地」「水」の四要素が、それぞれにに相応しいモノによって表される。
即ち「大気」は暖かく湿った風によって「春」に、「火」の乾いた熱気は「夏」に、「大地」はからりとした「秋」に、「水」は湿っぽい「冬」に関連づけられた。

この展示の凡そ100点の絵画を鑑賞して、アルチンボルドが描く自然界の動植物(猛獣、家畜、猛禽類、野鳥、野菜、花木、草花等)をモチーフにした、精緻な筆致は想像を絶する程の出来映えの作品であり、然も既に400年有余経過した時代に、このようなある意味では奇抜とも言える作品を創作していたとは、とても考えられない程の大いなる衝撃と感銘を受けた展示内容だった。興味があれば、是非ご覧あれ!

アルチンボルド展示会場を観た後、松方コレクションが常設展として展示されている。
既に入館されている方は、ご存知のところであり詳細は割愛するが、前庭にはロダンの彫刻(考える人、地獄の門等)、館内には14〜16世紀、17世紀19世紀(ロマン主義〜印象派ーセザンヌ、マネ、ルノワール等)、モネの部屋(セーヌ河の朝、睡蓮等)、19世紀(印象派以降 ゴッホ、ボナール、ゴーガン等)、20世紀の絵画、近代の彫刻等が鑑賞できる。
なお、松方コレクション関連の展示に限定して、一部を除き展示の殆どの作品の写真撮影が許可されている。

今回、戸外は熱中症に危険な暑さでしたが、館内は当然ながら適温に調整され、快適な時間を費やし、非常に癒された一時を過ごすことが出来ました。

(本稿が長文になり、ご容赦願います)



 アルチンボルド展 国立西洋美術館
案内書